風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

頑張らないことについて

朝5時起床。朝の儀式。体調は相変わらず最悪だったのだが、昨日、人と関わったおかげで、気分は悪くない。裏を返せば、それだけ孤独だったということで、こんなちょっとしたことで慰められてしまう、自分が少し悲しくなる。

去年あたり、最高に悪かった時に、主治医からさかんに入院を勧められたが、まあ、これも一理あって、アルコール依存症の時は、静かな環境でぼんやりするだけでも薬になった。その気になれば、他の人と喫煙所でタバコを吸いながら、少しは話も出来る。ただ、いまはサポートしてくれる人もいないし、好きな本を読んで、好きな音楽を聴いて、好きなものを食べるいまの生活が(苦しいことは苦しいのだが)それなりに気に入っているので、しばらくはこれでやってみようかと思う。『配達されたい私たち』にもあったが、「1年半、傷病手当をもらって、そこから生活保護」というコースにはならないようにしたいのだが。なにより、まだ働けるし、働きたいし。

今日は調子いいかもと思ったが、9時くらいに「いつものやつ」が来て、仕方がないのでクッションを抱えて、ひたすら耐える。

うつ病九段 (文春e-book)

うつ病九段 (文春e-book)

 

いつもタイトルからずれてしまうので、早めに書いておくことにする。前者はずっと前に読んでいたが、ついでなのでマンガも買った。 後者の方がビジュアルに訴えかける力が強いので、こちらの方がよかった。うつの闘病記は、自分に最も近い話題なので、共感することも多いし、うつヌケした(大抵そうだ)結末には感動するし涙がこぼれる。帯に「頑張らないで、先ちゃん!」という西原理恵子の言葉があって、これは本当にその通りなのだが、届かない人には届かない。休養を取って治る人もいるし、薬を飲んで治る人もいる。だけど「少しは」頑張らないと、治らないというのは、経験上よく分かっている。あるいは、これは動機の問題で、先崎学の場合は「将棋の世界に戻る」という目標があり、それに向かって努力する。だけど、そんな希望を描けない人はどうなるのだろうか? あるいは、うつがそうした将来みたいなものを消しているのかも知れない。とにかく「で、うつが治っていいことあるの?」となってしまうと、絶対に治らないことは間違いない。本人は苦しい、出来れば解放されたいと思っている。だけど「うつという病気に安息してしまう」のである。家族がいれば同情してくれるし、バックアップもしてくれる。いまは職場もメンタル面に配慮してくれるから「ゆっくり休めよ」と言ってくれる。だけど、ずっと治らなかったら? 周囲は「あれがいい」「これがいい」とアドバイスをくれるだろうが、それを素直に実行出来ない。もう頑張れない。治った自分というのがイメージ出来なくて、皮肉なことに治ってしまうことが怖くなってしまう。そうしてこじらせればこじらせるほど、いろんな人は離れていく。「くるしいくるしいくるしい」オーラをいつも発している人間に付き合うと、自分がやられてしまうからだ(僕だって、そんなやつとは関わりたくない)。そのようにして、うつが日常化してしまい、薬でやり過ごす毎日になる。こうなると「どうして生きなくちゃいけないんだろう」まで、あと一歩である。「どうせ意味がないんだったら、終わらせるのは早い方がいい」というのがうつによる自殺のメカニズムだと考えている。

今日は「なにか」がなかなか去ってくれず、2時まで死人。首とか手の指とか足の指がポキポキ。足もすぐつる。ついでに眠る前に「ビクッ」となる(ジャーキングというらしい)。

妹からラインが入って目が覚める。返済3万円の送金(ただし、これは3月分)、ついでに早稲田アカデミーから給与明細、今月は2万円。こんなに働いたっけ? 今月が0円なのは間違いないが。

少しまともになったので、やろうやろうと思っていた作業に取りかかる。2、3年前になるが、元妻がなにかで必要になったとかで、大学でICT関係(なにかは知らぬ)の本を2冊借りた。で、それからいろいろあって、それどころじゃなくなって、どこにあるかも分からなくなった。それでも、図書館からは定期的に督促のメールが来るので、「後ろ足で砂をかける」ようにして退職した罪滅ぼしとして、アマゾンで現物を買っていたものをやっと送った。常人にはたいしたことではないと思うが、それだけで疲れ切ってしまって、またルノアールで一服。「えらかったね」と自分をほめる。

まだまだやらないといけないことはたくさんあるのだが、いまのところ、1日にひとつのことしか出来ないので、紙に書き出して優先順位を付けていこうと思う。

あ、前に住んでいた部屋に関係した残金をはよ払え、という手紙が来ていたので、とりあえず端数だけ振り込んだ(請求されたのは18万4千円いくらで、そのうち4千円だけ)。たぶん「なめてんのか」と言われると思う。

話は図書館に戻るが、どうしてあの本にこだわっているのか、まったく理解出来ない。僕の研究室にあった大量の本は「破棄」扱いにしたくせに。あの中には科研で買った100万円以上の資料もあったんだが・・・復帰した時のために、トランクルームを借りることも考えたが、普通の部屋と同じくらいの家賃がかかるので断念した。まあ、いま全然必要としてないってことは、捨ててよかったんだろうな。さっぱり。

この後のことは、書くのが面倒になったので、薬を飲んで寝る。

今日もよくやりました、俺。