風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

また自転車がパンク

台風一過。暑い暑い。
「この文庫がすごい 2005年度版 第1位」という帯の文句に誘われて、そういえば読んでなかった岡嶋二人「99%の誘拐」。ハイテク誘拐という割には、仕掛けがチープなのはご愛敬。なにしろ15年前の作品なので音響カプラーとかが出てくるのだ。歴史的傑作というのはどうかと思うけど、サスペンスとして読むならそれほど古びていない。
読んだのは随分前だが、岡嶋二人のコンビ結成から解消までを綴った「おかしな二人」は、別れた相手にも容赦ない佳作。こういう内輪揉めはバンドなんかでは日常茶飯事だが、小説では共作自体がめずらしいのでなおさら興味深い。バンドでもお笑いでも、最後には曲を書いたりネタを考えたりする方が「これでギャラが同じなんて、やってられっか」となるのは自然の成り行きだが、爆笑問題ダウンタウンはそのへんどうやっているのだろうか。
99%の誘拐 (講談社文庫) おかしな二人 (講談社文庫)