風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

男の花道

授業の準備。
色川武大「明日泣く」。こんなのが出てたなんてちっとも知らなかった。最晩年の短編集で、総括というわけでもないだろうが、色川武大阿佐田哲也の世界が渾然一体となってファンにはこたえられない(例えば、「男の旅路」と同じエピソードが「ヤバ市ヤバ町雀鬼伝」にも出てくる)。どれも捨てがたいが、芹沢九段の死に様を描いた「男の花道」には震えた。
明日泣く (講談社文庫)