風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

おー脳!

休日出勤。あれもこれもやっていたら日が暮れた。仕事が多いのか、仕事ができないのか。自己啓発のビジネス書でも買ってみるべえか。
島田荘司「エデンの命題」。アダムの肋骨からイブがつくられた、という聖書の記述は、クローン技術を意味していたという仮説を軸にしたミステリ。名探偵が歴史の謎に迫ったりすると、大抵は目を覆うようなひどいことになるのだが(神津恭介の義経ジンギスカン説とか)、それは島田荘司であっても例外ではない。御手洗潔が出てこないのが救いか(でも、話は「異邦の騎士」にちょっと似てる)。同時収録の中編「へルター・スケルター」は、タイトルで想像した通りの話。なんでも脳の病気とか損傷のせいにしてよいものか。流行なんだろうけど、臓器提供、売買が犯罪の動機になるミステリと同じような違和感が。
エデンの命題 The Proposition of Eden (カッパノベルス)