風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

古本とミステリ

古書の世界とミステリの相性のよさは、紀田順一郎の名作やジョン・ダニングの「死の蔵書」でも証明済み。大抵が稀覯本や希少本をめぐって犯罪が起こるのだが、それがどれだけ貴重なものであり、愛好家にとっては動機になりうるか、という蘊蓄が傾けられ、読んでいるうちに、その世界に通じてしまうところにお得感がある。別に損得で本を読むわけではないが、「湯煙ラーメン紀行殺人事件」みたいな2時間ドラマは、こうした合わせ技をねらっている。
で、二階堂黎人「稀覯人の不思議」。「密室殺人」+「マンガ」+「古本」+「手塚治虫」とくれば、おもしろくならないわけがない! はずだったのだが・・・手塚治虫に関する蘊蓄は楽しく読みました。

稀覯人の不思議 (カッパノベルス) 古本街の殺人 (創元推理文庫) 古本屋探偵の事件簿 (創元推理文庫 (406‐1))

手塚治虫のアンソロジーも編んでいます。こちらは(も)お勧め。

二階堂黎人が選ぶ!手塚治虫ミステリー傑作集 (ちくま文庫) 手塚治虫西部劇傑作集―二階堂黎人が選ぶ! (ちくま文庫) 手塚治虫SF傑作集―二階堂黎人が選ぶ! (時間旅行者編) (ちくま文庫)