古本とミステリ
古書の世界とミステリの相性のよさは、紀田順一郎の名作やジョン・ダニングの「死の蔵書」でも証明済み。大抵が稀覯本や希少本をめぐって犯罪が起こるのだが、それがどれだけ貴重なものであり、愛好家にとっては動機になりうるか、という蘊蓄が傾けられ、読んでいるうちに、その世界に通じてしまうところにお得感がある。別に損得で本を読むわけではないが、「湯煙ラーメン紀行殺人事件」みたいな2時間ドラマは、こうした合わせ技をねらっている。
で、二階堂黎人「稀覯人の不思議」。「密室殺人」+「マンガ」+「古本」+「手塚治虫」とくれば、おもしろくならないわけがない! はずだったのだが・・・手塚治虫に関する蘊蓄は楽しく読みました。