風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

みんなコバルトだった

5時に起きて非常勤。電車で本を読もうと思っていたが、あっという間に眠りこける。帰りはなぜか超満員。ノートパソコンで「ソプラノズ」見てたら(もちろんヘッドフォンで)、「呑気なことしやがって」という立っている人達の視線が痛かった。
久美沙織「コバルト風雲録」。ティーンズハートに続いて今度はコバルト。花井愛子が「読者が求めるものを書くだけ」と言い切ってしまうのに対して、こちらは「自分が書きたいものを書く」タイプ。共通するのは、少女マンガを小説化するという手法でブランドを確立したのに、いつのまにかメインストリームからはぐれてしまったということ。コバルト(ティーンズハート)は一種の通過儀礼として読まれるものなので(たぶん)、自己模倣を繰り返すことに嫌気がさしてしまっても仕方がない。中村うさぎ桐野夏生になれ(ら)なかった久美沙織が、それでも「Mother」や「ドラクエ」のノヴェライゼーションを通して、本をあんま読まない人に小説の面白さを手ほどきする道に踏みとどまっているのは立派。でもやっぱり「キャラが立ってる」っていう表現を使う人とは気が合いそうにないな・・・。
コバルト風雲録