風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

いきいき、のびのび

ワークステーション。授業。授業。
仲正昌樹デリダの遺言―「生き生き」とした思想を語る死者へ」。デリダの音声中心主義批判を援用しながら、世に蔓延する「生き生き」した言葉のうさんくささを告発(「生きた英語」というのも俎上に上げられている)。この手の本としては異例のリーダビリティで、げらげら笑いながら読了。いつもマンガの例えで恐縮だが、「じゃりン子チエ」でマサルが「のびのび、のびのび」とつぶやきながらスケッチしていたのをふと思い出した。で、そのマサルが「のびのび」描いた絵は、ヒラメちゃんの写実的な細密画にあっさりコンテストで敗れてしまうのだった。
デリダの遺言―「生き生き」とした思想を語る死者へ