風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

オタク世界のオデュッセイア

非常勤はお休みなので研究室に。ニール・ヤングをかけながら、用済みのプリントや書類を片っ端から紐で縛る。ペーパーレス社会ってどこの話だ。
大泉実成「萌えの研究」。個人的には「萌え」にも「おたく」にも全く共感できないので(まわりがどう見てるかはともかくとして)、現代思想ケーススタディとして読もうかな、くらいの軽い気持ちで読み始めてみたが、さすがは「消えたマンガ家」の大泉実成。非オタク(とも思えないのだが)の作者が、ライトノベルテーブルトークRPG美少女ゲーム、マンガ、アニメのディープな世界を垣間見るドキュメンタリー形式で、ところどころに新興宗教や臨界事故といった私小説要素が挿入されて飽きない。それでも、まあ結局こういうのとは縁はないやね、とひとりごちたところで、大塚英志「「おたく」の精神史 一九八〇年論」をパラパラやってたら、馴染み深いことばかりだったので焦る。UWFっていつからオタク文化に? うーん、ジョージショック。
萌えの研究 「おたく」の精神史 一九八〇年代論