風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

『何者』

7時起床。子供たちを送って出勤。書類をひとつ片付けて、前期の教科書をぱらぱらと見る。今期は専門的な内容でも構わないということだったので、ついつい趣味に走ってしまったが、その分やるのが楽しみ。例のTOEFLへのシフトで、教科書会社も大変だろうな、とふと思う。今日は「遅迎え」でいいと言っていたので、ゆっくりと迎えに行って、ケンタッキーで夕食を買って帰る。なんだかフェアをやっていて、ドラゴンボールのグッズをもらって喜んでいた。例によって妻とバトンタッチするように就寝。

何者

何者


第148回直木賞受賞作。就活をめぐる若者たちの物語、というとありきたりだが、ツイッターフェイスブックが小道具として(むしろ、登場人物の存在を支えるものとして)使われていたり、いかにもいそうな人物造形がなされてりしていて、誰かが言っていたが、本当に最近の(若い)作家は小説が巧い。と、それだけだと単によく出来た青春グラフィティだが、随所にミステリ要素が埋め込まれていて、このあたりが評価されたのだろうか。特にラストにはちょっと驚かされた。ネタバレになるので、あまり書かないが、一人称の「××××××語り手」の変形バージョンで、そのための伏線(というか違和感)だったのかと納得。よくある「自分探し」ではないく(だから『何者?』ではなく『何者』なのだろう)傑作。しかし、これを読む限り、いまの就職活動は本当に大変そうだ。ネットを駆使するのは当たり前。僕自身はいうと、学部の時は一切しなくて、ひたすら大学院の勉強をしていたが、大学院を出てからの就職活動は本当にきつかった。これも誰かが言っていたが、「最初の就職の話は誰もしたがらない」。うん、まさにその通りで思い出したくもない。締め切りギリギリで応募書類を中央郵便局に深夜に出しに行った時の街灯とか。
おまけ。ツイッターで教えてもらいました。ディケンズは最低の作家か?