風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

『一日』

7時半起床。連休初日。いつもなら妻の実家に帰省するところだが、なにやら事情があるようで「拒否」されてしまったので、こちらで過ごすことに。と言っても、どこに出かけても混雑しているだろうから、基本は家でのんびりすることで合意。子供たちはいつものように「おつかい」。妻はひさしぶりにドラクエゲームパッドでプレイ出来るようになったので、リビングでやったり寝室でやったりとまさに縦横無尽。よしよし、これでWiiUにした甲斐があるというものだ。片付けは一時休止ということで、メンバーはめいめいが勝手なことをして過ごす。夜はひさしぶりに「牛角」。昔より味が落ちたような気がするが、食べ放題コースでお腹いっぱい。

寒灯

寒灯


第二エッセイ集(一作目は買ったのだが、どこかに行ってしまった)。西村賢太は随筆集もやはり「激烈に面白い」(町田康)。あちこちに書き散らしたものなので、全体としては雑然とした印象を受けるが、どれも「こんなことを書いてもいいのだろうか」と思わせる内容。「風俗に行こうと思ってた」という有名なコメントを遺した芥川賞受賞の顛末も興味深いし(3度目のノミネートで受賞)、没後弟子を名乗っている藤澤凊造への思い入れも相変わらずで、後半部の「色慾譚」のあからさまな体験談には思わず引いてしまうほど。受賞時に石原慎太郎が「これからの変化」を憂慮していたが、相変わらずの生活を続けているようでなにより。高田文夫に心酔しているところなどもセンスの良さを感じさせる。落語への傾倒や初期探偵小説への拘泥など共通点がいろいろとあったのも嬉しかった。やはり一生ついていくに値する作家であると再認識した次第。妻は相変わらず「よくここまで人を不快にさせることばかり書けるね」と感心(?)していたが。