風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

あるキング

夏バテか、午前中ぐったり。午後から上司との面談があるはずだったが、いくら待ってもきやしない。お迎えの時間が近づいたので諦めて帰宅。まあ、約束していたわけではなかったのだが。

あるキング (徳間文庫)

あるキング (徳間文庫)


昨日に引き続き井坂幸太郎。ある天才野球選手の自伝形式。『マクベス』を下敷きにしているところで、ありゃりゃ、それまた陳腐な、と思ったが、まあまあうまく機能している。なにより、『砂漠』と同じようなロックンロールが感じられて最高だった。驚いたのが、単行本を文庫にする時、作者が加筆修正を加えてある、と解説に書いてあったこと。それじゃあ、いままでハードカバーで読んだ作品も文庫で読み直さなければならないのだろうか。で、その解説を書いているのが、なんと柴田元幸。あんなに本を読んで、本を訳して、井坂幸太郎も読んでるの?しかも近作『PK』、『夜の国のクーパー』まで!まいったなあ、最初から負けてるけど、コールド負けだ。ちなみに、氏が何かの学会で講演された時、会場のトイレで隣り合って用を足しながら会釈したことは、僕のちょっとした自慢です。
3652―伊坂幸太郎エッセイ集

3652―伊坂幸太郎エッセイ集


ついでにブログを休んでいた間に読んだこれも。作者がとてもいい人だということがにじみ出るエッセイ。