風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

談志亡き後の真打ち

妻が大阪に研修で出張。なんでもカリスマ予備校教師の講義を聞いて来るそうな。それはいいのだが、きっかけはちょっとしたことだったのだが、(昨日からの寝不足もあり)それがこじれにこじれて最後には大喧嘩に発展する。結局、午後になってから「もっと早く出てゆっくりしたかった」とぶちぶち言う妻を松江駅まで送って、さて、これから明日の夜まで子供の面倒を見なくてはいけない。

談志亡き後の真打ち

談志亡き後の真打ち


立川談志という稀代の噺家については、いろいろと書きたいこともあるのだけれど、それはまた他の追悼本を読んだ時にでも。本書は「師匠の志らくを通じて俺の遺伝子が伝わっているような気がする」と家元に言わしめた孫弟子の落語論。そこまで言われるくらいなのだから、おそらくなんらかの見所はあるのだろうけど(孫弟子で最初の真打ちだし)、志ら乃の場合は根が真面目に出来ているのか、優等生的な発言が多くて少々物足りないところも。師匠の志らくと兄弟子談笑との対談が収録されてなかったら、ひどくつまらない本になっていただろう。談志亡き後の立川流の組織のゴタゴタ(があったらしい)なんかをもっと読んでみたかった。それにしても志らくは、相変わらず狂ってる。「談志追悼をやめるのは、私が談志と同化したときだ」って、焼かれた骨を食べちゃうレベルの愛情だよ(いや、それ以上か)。それに対して、色物扱いされることの多い談笑が常識人だったのは意外。なんにしても落語を聴かずに「落語の美学」ばかりを語るという批判は、立川流だけではなく僕にとっても耳の痛い話。ディスカス、もういっぺん入会しようかなあ。
家に帰って晩ごはんを食べさせて、疲れもあったので早々に寝込んでしまうと、息子の「お母さん、お母さん」と泣きじゃくる声で起こされた。なんとかなだめすかして寝かしつける。次の日、聞いたら娘も「10回泣いた」そうだ。やはり母親には勝てないのか。