風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

一之輔、高座に粗忽の釘を打つ

早朝、リビングルームでメールを書いていたら、寝室から娘の号泣する声が。なんでも友達に「バカ」と言われるので、学校に行きたくないそうだ。前にも同じようなことがあって、事態は収束したと思っていたのだが、どうやらずっと我慢していたらしい。妻はなんとか無理にでも行かせようとしたが、僕の独断で今日だけ限定と言い聞かせて休ませることに。学校なんて行きたくなければ、行かなくていいし(極端だとはわかっているが)。幸い、今日は授業がひとつだけなので、ひさしぶりに甘えさせてやろう。息子を送ってから、DVDをレンタルして、ついでにおやつも買ってやる。ここのレンタル店も生き残りのために、なりふり構わなくなったのか、毎日のように旧作100円セールをやっていて(もう100円に固定すればいいのに)、おまけにレンタルチケットまで販売している。「今日まで初袋でお得ですよ」と言われたチケットは、34000円分が20000円という価格破壊もいいところ。しかしそんなにレンタルするかなと暫し悩んだが、たまたま財布に現金があったので「えい」と勢いで購入。動画配信サービスも考えていたところだったので、早まったかなとすぐに後悔したが、CDをレンタルすれば使い切れるだろう。何年かかるか分からないが。午後、DVDを見終えてベッドでマンガを読んでいる娘を残して授業へ。大丈夫だろうとは思ったが、まだまだ小学1年生なので、何があるか分からない。すぐに息子を拾って家にとって返す。


不勉強で全く存在を知らなかったが、21人抜きで真打昇進を果たした、というからには、落語協会に期待されている逸材なのだろう。真打披露の口上を読んでいると、いかにもこれからの落語界を背負って立つような勢い(最初、やはり存在を知らなくて、周りが褒めているから慌てて観てからすぐ昇進を決めた、という小三治のエピソードは可笑しい)。真打披露興行のドキュメントがあって、その時にかけたネタの解説、それから自伝、と少し変わった体裁になっているが、どれも真面目に落語に取り組んでいる姿勢が伝わってきて清々しい。逆にあまりにも屈託がなくて、大丈夫だろうかと思うほど(それもこれも、僕がアクの強い立川流の本ばかり読んでいるせいなのだが)。いずれにしても、また寄席に行って聴きたい噺家がひとり増えてしまった。夕方、息子が心待ちにしていたフォーゼのアストロスイッチのセットが届く。それはいいのだが、「セット」の中身はガチャポンの一箱まとめ買いだったようで、10個入っているうちにダブりが2組。ここで既にがっかりしたが、残りのスイッチも息子の持っているバリズンソードに入らないものがある。それでも息子は大喜びだったが、僕としては納得がいかなかったので調べてみると、フォーゼドライバー(これがベルトらしい)だのなんだのと他にも武器があって、それによって使えるスイッチが異なっているようだ。それで最終的にはアストロスイッチもコンプリートしたくなる仕組みになっている、と。「お父さん、このスイッチはまらんよ」と言ってる息子を見ていると、メーカーの戦略に踊らされているようで可哀想になって、思わず狂気が発動しそうになるが、集め始めるとキリがなさそうなので、たまにスイッチをガチャガチャでやってやる程度にしておく。そんなこんなで、すっかり疲れてしまったので、例によって早寝をしていたら、遅く帰宅した妻に「あんた、お昼ごはん食べさせてないでしょ!」とたたき起こされる。いや、朝ごはんが遅かったし、一緒におやつも食べたし。娘も「お腹減った」って言ってなかったよ、と抗弁してもまるで駄目。いつの間にか娘も妻の側に付いていて、すっかり悪者にされてしまった。ああやだやだ、父親なんかやるもんじゃねぇや、と言い捨てて寝る。