風大丸亭日乗

元大学教員、双極性障害、本と音楽と映画、そして毎日は続く

『賭博/偶然の哲学』

7時起床。今日は病院巡り。息子を送って、いつもの病院へ。血液検査があったが、結果はまずまず。一旦、家に帰ると妹からメール。なんでもこのブログを読んだ母が「本当の母より猫の方が大事なんやな」とぼやいているという。そういえば、母の日の電話を忘れていた。慌てて連絡をして近況報告。それにしても母まで読んでいる(読めるようになっている)とは。大学といい、家庭といい、どんどん書いてはいけないことが増えて、窮屈になってきたことだ。血を採られたせいか、なんだか調子が悪くなったので、午後の歯医者はキャンセル。子供たちを迎えに行って、ホカ弁を買って帰る。今日は妻が寮の宿直で不在。まあ眠くなったら寝るだろうと、いつものように早めに就寝。

賭博/偶然の哲学 (シリーズ道徳の系譜)

賭博/偶然の哲学 (シリーズ道徳の系譜)


まだ半分しか読んでいないが、第一章の「競馬の記号学」がとにかくエキサイティング。賭博の本質はリスク論を越えた「無責任さ」にあると喝破し、「賭けることは、現在を生きることである」と結論付ける。タニモト式と自己再帰性によって規定される近代社会が召喚する謀略論への結びつき(ジジェク)を指摘するなど、競馬をフィールドワークとする著者にしか書けない示唆に富む内容。途中からまるで福本伸行の作品を読んでいるような錯覚に捉われてが、確かにカイジやアカギが言っていることにも通じるスリリングな論考。残りを読むのが楽しみだ。