ノルウェイの森
大学祭で臨時休業。エンジンが暖まってきたところで、なんだかスカされた感じ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/03/13
- メディア: 文庫
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ようやく下巻が出てきたので、一気に読み終える。おそらく村上春樹の作品で、最も多く読み直した作品。その度に印象が違うが、今回はエロチックな場面が、やたらと頭の中を支配していた。やれ、「やる」だの、「やりまくる」だの、「100パーセントの恋愛小説」は、エロ小説すれすれだったんだな(それでも下品になっていないのは、作者の手柄だろうが)。学部で読んだ時には、とてもとても気にいって、誰彼なく貸しまくっていたが、女の子の中には眉をひそめる子もいた。いまではその気持ちも分かる。もしかして、僕もそういうことをしたいと思われていたのではないだろうか。だって、二十歳そこそこで、こんなに女の子と寝まくる「僕」(福田和也は「ドン・ファン」と表現していた)は、やっぱり尋常じゃない。この作品に自伝的要素があるとしたら、そういう時代だったのだな、と思うしかない。それでもやはり、直子と緑とレイコは、素晴らしい女性だ。それにしても、果たして「僕」は救済されたのだろうか?